ボローニャ展とは
ボローニャ展とは?
1964年から続く、世界で唯一の子どもの本専門の国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」では毎年、絵本原画のコンクールが行われており、世界各地から多くのイラストレーターが作品を応募しています。5点1組のイラストを用意すれば誰でも応募できる公募展で、絵本の専門家である審査員たちによって、すでに絵本として発表された作品も未発表のものも全て公平に審査されます。
このコンクールで入選した作品を紹介する「ボローニャ国際絵本原画展」を、当館では1978年から毎年恒例の展覧会として開催してきました。
コロナ禍以降2020年、2021年とオンラインで開催されていたブックフェアでしたが、今年は3年ぶりにボローニャ現地で開催され、大変な賑わいを見せました。コンクールは今年もオンラインでの応募となり、過去最多の92カ国3,873組からの応募がありました。その中から、日本人4人を含む29カ国78人が入選を果たしました。本展では入選作全てをご紹介します。
入選作の他にも、特別展示としてSM出版賞を受賞したサラ・マッツェッティ(2019年受賞/第10回)とチュオ・ペイシン(2021年受賞/第11回)の作品も展示します。
ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアとは?
イタリア北部の都市ボローニャで1964年に始まった、子どもの本専門の国際見本市です。毎年春に開催され、世界中から集まった出版社がブースごとに分かれて、出版物を紹介したりイラストレーターとの商談を行います。期間中には、絵本原画のコンクール、編集者や絵本作家らによるトークイベント、優れた絵本を表彰する賞の授与式など、ブックフェアを盛り上げる様々なイベントが開催されます。
今年は18の展覧会と250以上のライブイベントが実施され、ウクライナの絵本を紹介するブースの設置や戦時下の子どもの本に関する講演会など、時勢を反映した企画も開催されました。
https://www.bolognachildrensbookfair.com
絵本原画コンクールとは?
ブックフェアを盛り上げるため1976年に始まった、世界最大級の絵本原画のコンクールです。毎年世界中から編集者や大学の教授、絵本作家など、絵本の専門家4〜5名が審査員として選ばれます。今年は日本の絵本作家の降矢奈々氏も審査に参加しました。
作品サイズの上限はありますが、国籍や出版歴の有無に関する規定はなく、応募条件は5点1組のイラストを用意することのみ。未発表の作品でも、既に絵本として発表された作品(ただし2年以内に発行されたもの)でも応募可能です。作品技法にも制限はありません。
このコンクールでの入選は、世界中の出版社に自作をアピールできるチャンスでもあり、これを機に絵本を出版するなど、絵本作家としての第一歩を踏み出した入選者も数多くいます。日本からは第一回展に松原直子が入選して以来、毎年多くのイラストレーターが出品しており、日本人は毎年入選を果たし続けています。コロナ禍以降、オンラインでの応募になったことで、郵便事情があまり良くない国からの応募も増え、より多くの国の作品が入選を果たすようになりました