公益財団法人 西宮市大谷記念美術館/四季折々の草花が美しい日本庭園のある美術館です

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2022イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
ワークショップ報告
▲ イラスト:北村麻衣子(日本)
《森のセッション》
ワークショップ報告
2022.09.19
紙版画で森に住むいきものを作ろう

【実施日】2022年8月16日(火)13:30~15:30
【講 師】北村麻衣子(2022イタリア・ボローニャ国際絵本原画展)
【対 象】幼稚園年中〜小学生
【材料費】500円(別途要入館料)
【定 員】15名

「2022イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」入選者の北村麻衣子さんは、版画家として活躍されており、今回は木版画の作品が入選しました。今回のワークショップでは、北村さんを講師に迎え、紙版画を制作しました。
紙版画とは、紙を貼り合わせて版を作る、手軽に制作出来る版画の技法の一つです。版を制作する際に使用する道具は、紙、ハサミ、ノリ、ボンドのみ。木版画に用いる彫刻刀や、銅版画で使用する銅版やニードルといった専門的な道具は不要なため、小さなお子さんでも制作できます。
北村さんの発案により、版にする素材には白画用紙だけでなく、表面が凸凹した段ボール紙、瓶を包むための梱包紙、エアキャップなども用意しました。

「紙版画で森に住むいきものを作ろう」というタイトルの通り「森のいきもの」を作ることがテーマです。北村さんからは、「森にはさまざまな生き物が住んでいます。動物、虫、魚など、どんな生き物でも大丈夫ですよ。」というお話からワークショップはスタートしました。
お手本として、北村さんによる紙版画制作の実演をしていただきました。
紙はハサミで切るだけでなく、手でちぎってわざと縁をギザギザにするなど、アドバイスしながらの実演に、参加者の皆さんも見入っていました。こうしたテクニックを間近で見ることが出来るのも、作家が講師をつとめるワークショップの魅力の一つです。

印刷する作業は初めての参加者が大半でしたが、北村さんからアドバイスを受けて意欲的に取り組んでいました。バレンを使って刷る作業は力加減が難しいので、1枚目では納得いかない仕上がりになってしまった方もいましたが、2枚目を刷る際はコツを掴んでしっかりインクを定着させることに成功していました。
細く切った紙を繋ぎ合わせて虫の足を作ったり、段ボールの凹凸を使ってゾウの鼻のシワを表現するなど、細部まで工夫して作られた作品が完成しました。生き物の形態だけでなく、ストーリー性にこだわって制作された作品もあり、どの作品からも豊かな想像力が感じられました。


ワークショップの様子の一部はこちらでも公開中です。



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