
アリス・コルブ(スイス)《どうぶつパレード》とその触察パネル
2020年のボローニャ展では、入選作品の中から数点を木製の触察パネルにして、視覚に障がいのある方にも作品を触覚で鑑賞していただく企画を行いました。今年はその第二弾として、入選作品のうち5点(各作品についき1場面ずつ)の触察パネルを制作しました。
2020年の当館でのボローニャ展は新型コロナウイルス感染症拡大影響により中止となったため、触察パネルの展示は今年が初の機会となります。
イラストレーションを触察図にするためには、複雑な絵柄を整理するなどの改変(翻訳)が必要です。視覚に障がいがある方も楽しめる鑑賞プログラムの開発に取り組んでいる、ローマ市立パラエキスポ美術館の教育普及部の技術協力のもと、パネルの制作が実現しました。
触察パネルは、普段絵を視て鑑賞している人たちも、作品の別の魅力や、触るという行為の豊かさに気づかせてくれます。イラストレーションを触って「視る」という新たな鑑賞のあり方を、多くの方に体験していただける企画です。
*触察……主に手などで触り、触覚を活用して観察すること