公益財団法人 西宮市大谷記念美術館/四季折々の草花が美しい日本庭園のある美術館です

文字サイズ
展覧会/イベント
画人たちの仏教絵画 ―如春斎再び!―
2023年10月21日(土)〜11月26日(日)
勝部如春斎 《中尊 比丘比丘尼優婆塞優婆夷身(三十三観音図のうち)》茂松寺蔵
勝部如春斎
《中尊 比丘比丘尼優婆塞優婆夷身
(三十三観音図のうち)》
茂松寺蔵
仏教絵画(仏画)は、仏教が日本に伝わった6世紀半ばから、その教えを広めるために大いに描かれてきました。仏画を専門に描く仏絵師の他、様々な絵師が活躍しましたが、江戸時代になると、幕府の推進した檀家制度によって、より仏画の需要が増し、更に多くの絵師たちが制作を手がけることになりました。仏画を描くことは江戸時代の画人たちにとって、重要な仕事の一つでした。
本展では、画人たちの描いた江戸時代の仏画を紹介します。定式に則って描かれたものがほとんどですが、作品からはそれぞれの個性も十分に感じられます。
また、勝部如春斎(かつべじょしゅんさい)の「三十三観音図」(茂松寺蔵)を、再び公開いたします。2017年に開催した「西宮の狩野派 勝部如春斎」展では、十七幅ずつ二期に分けて展示いたしましたが、このたびは全三十三幅を一堂に展観いたします。さらに、如春斎と同じく東福寺蔵の明兆(みんちょう)の作品を摸した原在中(はらざいちゅう)の「三十三観音図」(酬恩庵一休寺蔵)を併せて展示します。
これまであまり注目されることのなかった、江戸時代の仏教絵画の世界の一端を見ていただく、またとない機会となることでしょう。


<展覧会構成>

1 勝部如春斎「三十三観音図」(1763年頃)を一堂に
如春斎が妻の三回忌を期に、地元西宮の茂松庵(現・茂松寺)へ寄進した仏画です。明兆「三十三観音図」(東福寺蔵)の図様を忠実に踏襲しており、背景には狩野派ならではの水墨山水の描写がみられます。

2 原在中「三十三観音図」(1793年)を一堂に
本作には大典顕常(だいてんけんじょう)の経文があり、酬恩庵一休寺に伝わりました。明兆「三十三観音図」(東福寺蔵)の図様を踏襲しつつも、大和絵の技法を用い、色彩豊かで華やかな画面に仕上げられています。

3 狩野派の仏教絵画を中心に 白隠(はくいん)、遂翁元盧(すいおうげんろ)も
仏画は狩野派の重要な画業の一つでした。狩野探幽も多くの仏画を制作しましたが、狩野派に学んだ皇室や公家、大名家にも浸透し、彼らも信仰とともに仏画を描きました。久隅守景(くすみもりかげ)の娘、清原雪信(きよはらゆきのぶ)や後水尾天皇の皇女で狩野安信(やすのぶ)に学んだ林丘寺光子(りんきゅうじてるこ)内親王の仏画も紹介します。

4 円山四条派、大坂の仏教絵画
円山・四条派の画人たちも、仏画を制作していました。呉春(ごしゅん)や松村景文(けいぶん)の他、呉春の弟子で、その死後は仏画をもっぱら描いたことで知られる紀広成(きのひろなり)の作品全七点を展示いたします。

涅槃図 
酬恩庵一休寺に伝わる原在中の「涅槃図」(寛政7年(1795年))ならびに宝永4年(1707年)の銘がある茂松寺の「涅槃図」を展示します。

池大雅、田能村竹田の観音
観音を信仰した池大雅(いけのたいが)と、田能村竹田(たのむらちくでん)の名品を紹介します。


主  催
公益財団法人 西宮市大谷記念美術館
後  援
西宮市、西宮市教育委員会
原在中《中尊 現比丘比丘尼優婆塞優婆夷身(三十三観音図のうち)》酬恩庵一休寺蔵
原在中《中尊 現比丘比丘尼優婆塞優婆夷身(三十三観音図のうち)》酬恩庵一休寺蔵
林丘寺光子内親王《白衣観音之図》池田市立歴史民俗資料館蔵
林丘寺光子内親王《白衣観音之図》池田市立歴史民俗資料館蔵
紀広成《魚籃観音図》
紀広成《魚籃観音図》
会期
2023年10月21日(土)〜11月26日(日)
休館日
水曜日
開館時間
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料
一般1,200(1,000)円、高大生600(400)円、小中生400(200)円
*( )内は前売料金、20名以上の団体料金(いずれも税込価格)
*前売券はローソンLoppi(Lコード53210)で取り扱い、または当館にて販売(前売り券の販売は10月20日(金)まで)
*西宮市内在住65歳以上の方は500円、西宮市内在住の一般の方は1,000円(要証明書呈示)
*ココロンカード・のびのびパスポート呈示の小中生は無料
*心身に障がいのある方及び介助者1名は無料(要手帳等呈示)
関連イベント
講演会 「三十三観音図の変異」
スライドトーク「展覧会解説 江戸時代の仏教絵画」
イベント 坐禅体験 in美術館
第187回オオタニミュージアムコンサート
>イベントの詳細はこちら

ページTOP