広島県三原市出身で、西宮を拠点に制作活動を行った秦森康屯(はたもり こうとん 1923〜1994)の生誕100年を記念して、展覧会を開催いたします。
当館で2003年に開催した「秦森康屯展」以降、ご遺族やご所蔵者から作品のご寄贈をいただき、現在油彩画の代表作22点と、水彩画やデッサンなど133点を所蔵しています。これらの秦森康屯の作品を年代ごとに構成して、同時代に活躍した当館の所蔵作家の作品と並べて展観し、各時代を取り巻いていた雰囲気を浮かび上がらせます。1960年代以降は美術団体などに属さず孤高を貫いた秦森康屯でしたが、時代の影響を敏感に受けながら、次第に独自の画風を確立していく様子を、この展示を通じて見ていただくことができるでしょう。ジャンルは異なりますが、秦森康屯と交流があり当館とも縁の深い、陶芸家の荒木高子(あらき たかこ 1921〜2004)、彫刻家の山口牧生(やまぐち まきお 1927〜2001)の作品もあわせて紹介いたします。
また、今年は西宮市が1963年に文教住宅都市宣言を行ってから60年目にあたります。秦森康屯が西宮市甲陽園に居を構えたのは1962年。その後1994年に亡くなるまで終生この地に暮らしました。文教住宅都市・西宮の環境が彼の芸術を育み、完成へと導きました。故にこの展覧会は、文教住宅都市宣言60周年の記念展でもあります。
西宮で20年ぶりとなる秦森康屯の作品を中心とした展示をお楽しみください。
- 主 催
- 公益財団法人 西宮市大谷記念美術館
- 後 援
- 西宮市、西宮市教育委員会