任侠映画で一時代を築き、数多くの名作や話題作に出演し、晩年は最も出演が待ち望まれる俳優として、生涯で205本の映画に出演した高倉健。多くのファン、スタッフや役者仲間からも慕われたこの名優が世を去ったのは、2014年11月10日のことでした。
本展は、高倉健の映画俳優としての仕事を回顧し、あらためてその業績を顕彰しようとするものです。展覧会では横尾忠則、森山大道による、高倉健をモチーフとした作品とともに、出演作205本のすべてから抜粋した、高倉健出演場面の映像を紹介します。
残されたフィルムには経年劣化により現在見ることの困難な作品もありましたが、フィルムをデジタル修復するなどしてその一部をご覧いただくことが可能になりました。1本1本の抜粋時間は限られていますが、時代ごとの高倉健の魅力を存分に味わい、映画俳優としての全仕事を概観する絶好の機会となります。
あわせて、高倉健が所蔵していた台本や小道具、スチール写真、ポスターやプレスシートといった宣伝物など、貴重な資料類を一堂に展示し、時代とともに歩んだ稀代の映画俳優の足跡をたどります。
映画は、スタッフや俳優など多くの人々との協同作業によって成立する総合芸術であり、俳優は個々の出演作品を超えて自立した一人の表現者にほかなりません。美術館で俳優の回顧展を開催する理由もそこにあります。高倉健は、単にその演技だけでなく、存在感という点においても、表現者として独自の境地を切り開いた俳優でした。展示された膨大な映像や資料の中を彷徨ううちに、その中から高倉健という俳優の存在が立ち現れて来るのを感じていただけることでしょう。
本展覧会は映像展示が中心となり、全ての映像をご覧いただくと2時間以上かかります。
お時間に余裕をもってご来館ください
- 主 催
- 西宮市大谷記念美術館、毎日新聞社
- 後 援
- 西宮市、西宮市教育委員会
- 特別協力
- 高倉プロモーション
- 協 力
- 一般社団法人日本映画製作者連盟
- 特別協賛
- 健康家族