

《おでこにたんこぶ?いえ、たまご》.jpg)
エンヒッケ・モレイラは今年で3度目の入選で、2024年にはSM出版賞を受賞しており、ボローニャ展ではお馴染みの作家です。今年の入選作もこれまで同様シンプルな絵柄と少ない色数で構成されています。
本作の主人公の男の子は転んで頭をぶつけて、おでこに大きなたんこぶができてしまいます。しかし、たんこぶだと思っていたそれは実は玉子でした。男の子は玉子について調べるべく、百科事典のなかにとびこみます……現実ではありえない物語ですが、この作者らしい愛嬌ある絵柄とユーモアあふれる発想が魅力の作品です。5点の作品の中でテンポよく物語が進む構成も見事で、ボローニャ展常連入選者である作者の力量が感じられます。
《ぼくらの星》.jpg)
本作は架空の惑星を舞台にした作品です。ちょっと不思議な生き物たちが暮らす街の様子が描かれています。よく見ると、生き物や建物には細かな模様が描かれていることが分かります。作者はデジタルツールを用いてこの作品を描きましたが、模様部分は、海岸で拾った流木やロープで描いた絵をスキャンしたものが元になっています。
この作者のように、アナログとデジタルの両方を併用する入選作家は多くいます。デジタルツールの発達は、多様な表現を可能にしました。「原画」というとアナログ技法で制作された作品をイメージする方は少なくないと思いますが、いまやデジタル技法も絵本原画を語るうえでは欠かせない重要なツールの一つとして定着しています。
今年60年目を迎えたボローニャ展。60年前には考えられなかった技法で制作された原画が毎年数多く入選しています。様々な画材を駆使して新たな表現を生み出そうとするイラストレーター達の柔軟で意欲的な姿勢は、原画の可能性を広げ続けています。