1964年から続く、世界で唯一の子どもの本専門の国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」では毎年、絵本原画のコンクールが行われており、世界各地から多くのイラストレーターが作品を応募しています。
5点1組のイラストを用意すれば誰でも応募できる公募展で、絵本の専門家である審査員たちによって、すでに絵本として発表された作品も未発表のものも全て公平に審査されます。
当館では1978年からこのコンクールで入選した作品を紹介する「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」を、毎年恒例の展覧会として開催してきました。
しかし、昨年は新型コロナウイルスの影響により、当館での開催は中止となりました。
今年に入っても依然収束が見えない状況ではありますが、ボローニャの見本市事務局では、新たな試みとしてオンラインでのコンクールの審査を行い、見本市もオンライン開催されました。
その結果、今年は例年になく質の高い作品が数多く集まり、68カ国3,235組の応募のうち、日本人8名を含む23カ国76作家が入選を果たしました。イタリアではかなわなかった入選作の原画展示を日本で行います。
イタリア北部の都市ボローニャで1964年から始まった、子どもの本専門の国際見本市です。毎年春に開催され、世界中から集まった出版社がブースごとに分かれて、出版物を紹介しイラストレーターとの商談を行います。期間中には、絵本原画のコンクール、編集者や絵本作家らによるトークイベント、ラガッツィ賞をはじめとした優れた絵本を表彰する賞の授与式など、ブックフェアを盛り上げる様々なイベントが開催されます。
新型コロナウイルスの影響で昨年に続き今年もオンラインでの開催となりました。現在もアーカイブが残されており、閲覧することが出来ます。
http://www.bolognachildrensbookfair.com/en/home/878.html
ブックフェアを盛り上げるため1976年から始まった、世界最大級の子供のための絵本原画のコンクールです。毎年世界中から編集者や大学の教授、絵本作家など、絵本の専門家4~5名が審査員として選ばれます。毎年数千点の応募作が画力、表現力、独自性など様々な観点から審査され、入選作が決まります。
作品サイズの上限はありますが、国籍や出版歴の有無に関する規定はなく、応募条件は5点1組のイラストを用意することのみ。未発表の作品でも、既に絵本として発表された作品(ただし2年以内に発行されたもの)でも応募可能です。作品技法にも制限はなく、アナログでもデジタルでも応募可能なため、表現方法は近年ますます多様となっています。
このコンクールでの入選は、世界中の出版社に自作をアピールできるチャンスでもあり、これを機に絵本を出版するなど、絵本作家としての第一歩を踏み出した入選者も数多くいます。日本からも毎年多くのイラストレーターが出品しており、第一回展に松原直子が入選して以来、毎年入選を果たしています。近年では中国、韓国、台湾などの入選者が増加傾向にあり、アジア諸国の絵本への注目の高さが伺えます。