雪景色の系譜 その表現の歩み 近世から近代まで
四季の変化に富む日本では、古くからその季節の移り変わりの有り様が、絵画の中で表現されてきました。四季絵や月次絵、歌絵などとして描かれてきた自然の情景が、独立した画題として積極的に扱われるようになったのは、室町時代以降だと考えられます。中国から招来した新しい山水画や花鳥画が受け入れられて日本で独自の発達を遂げ、やがて江戸時代には狩野派を始めとして、新しく生まれた様々な画派が絵画技法を発展させ、個性あふれる作品が数多く生まれました。やがてその伝統が、近代へと受け継がれていきます。
本展は、四季の中でも冬、特にそこに描かれた雪景色を取り上げて、その系譜を辿ろうとするものです。雪そのものは景物の添え物としてあるかもしれませんが、絵画の世界に取り込まれることでとりわけ日本人の感性に訴えかける画題として愛され、その美を鑑賞されてきました。また絵画表現の面からは、地の白い紙や絹を塗り残すことによって雪を現わし、純白の胡粉を散らして降りしきる雪を表現するなど、画題に合った工夫が凝らされてきました。
雪が描かれた絵には、独特の魅力があります。自然の厳しさや冷酷さを描くことよりも、詩情や情緒を追求した世界がそこに広がっています。雪景色だけが一堂に会することによってみえてくる日本美術の新たな魅力を、本展で発見していただければ幸いです。
1. 山水画にみる雪 狩野探幽、池大雅、円山応挙など
2. 花鳥画にみる雪 宋紫石、酒井抱一、司馬江漢など
3. 四季絵その他にみる雪 白隠、吉村孝敬、月岡雪鼎など
4. 近代日本画の雪 岸竹堂、菱田春草、山元春挙など
主催:西宮市大谷記念美術館
後援:西宮市、西宮市教育委員会
本展は、四季の中でも冬、特にそこに描かれた雪景色を取り上げて、その系譜を辿ろうとするものです。雪そのものは景物の添え物としてあるかもしれませんが、絵画の世界に取り込まれることでとりわけ日本人の感性に訴えかける画題として愛され、その美を鑑賞されてきました。また絵画表現の面からは、地の白い紙や絹を塗り残すことによって雪を現わし、純白の胡粉を散らして降りしきる雪を表現するなど、画題に合った工夫が凝らされてきました。
雪が描かれた絵には、独特の魅力があります。自然の厳しさや冷酷さを描くことよりも、詩情や情緒を追求した世界がそこに広がっています。雪景色だけが一堂に会することによってみえてくる日本美術の新たな魅力を、本展で発見していただければ幸いです。
1. 山水画にみる雪 狩野探幽、池大雅、円山応挙など
2. 花鳥画にみる雪 宋紫石、酒井抱一、司馬江漢など
3. 四季絵その他にみる雪 白隠、吉村孝敬、月岡雪鼎など
4. 近代日本画の雪 岸竹堂、菱田春草、山元春挙など
主催:西宮市大谷記念美術館
後援:西宮市、西宮市教育委員会
円山応挙 「雪中山水図」
宋紫石 「聯珠争光図」 神戸市立博物館蔵 酒井抱一 「雪松図」
西山完瑛 「雪中炭焼き図」 川合玉堂 「蓬萊銀色」 当館蔵
会期
2015年4月4日(土)〜5月10日(日)
休館日
水曜日
ただし4月29日(水・祝)、5月6日(水・祝)は開館 4月30日(木)、5月7日(木)は振替休館
開館時間
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料
一般800円/高大生600円/小中生400円
*20名以上の団体は各料金から200円割引
*西宮市在住65歳以上の方は一般料金の半額(要証明書呈示)
*ココロンカード・のびのびパスポートを呈示の小中生は無料
*身体障害者・療育・精神保健福祉手帳などを呈示の方は無料
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