新春によせて  近代の日本画・油彩画

 四季折々の情趣が様々な画題に織り込まれている日本画。日本画の画題はその源を中国に発しながら、わが国の風土に深く根ざし、独自に展開してきました。とりわけ、艶やかな着物姿の女性が描かれた美人画や、折節の草花に鳥や動物を配した花鳥画、自然の深遠さ壮大さを写しとった山水画は、私たちにとって親しみのある画題の一つであるといえるでしょう。
 一方、ヨーロッパを中心に発達した油彩画も、明治以降わが国の近代化とともに徐々に受け入れられるようになりました。肖像をはじめとした人物画、花瓶に生けた花など、自ら動かないものを描いた静物画、屋外の景色を描いた風景画も、数ある主題のなかでよく知られたものであり、それぞれ美人画、花鳥画、山水画と近しい主題であるともいえるでしょう。
 この度の展覧会では、当館のコレクションから近代の日本画と油彩画を、「1. 描かれた容姿」、「2. 花鳥と静物」、「3. 移ろう風景」の主題別に紹介します。約60点の作品により、日本画と油彩画のそれぞれがもつ魅力に迫ります。


主催:西宮市大谷記念美術館 /後援:西宮市、西宮市教育委員会

*** 主な出品作品 ***
1. 描かれた容姿 (美人画・人物画など、人物を主題とした作品)
  伊東深水《吹雪》1946年頃 上村松園《蛍》1943年 小磯良平《ギターを弾く男》1974年
2. 花鳥と静物  (花鳥画・静物画・動物を主題とした作品など)
  菱田春草《秋林遊鹿》1909年 杉山寧《雉山百合図》1953年 梅原龍三郎《赤地ダリヤ》
3. 移ろう景色  (山水画・風景画など、風景を主題とした作品)
  横山大観《若葉》1914年 川合玉堂《奔湍》1945年頃 大石輝一《金閣寺雪景》1950年

会期

2012年1月2日(月)~2月12日(日)

休館日

水曜日

開館時間

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

入館料

一般500円/高大生300円/小中生200円
*団体料金(20名以上)は各料金から100円引
*西宮市在住65歳以上の方は無料(要証明書呈示)
*ココロンカード・のびのびパスポートを呈示の小中生は無料
*身体障害者・療育・精神保健福祉手帳などを呈示の方は無料

関連イベント

ギャラリー・トーク(担当学芸員による作品解説) 会期中の毎土曜日 午後2時より
第141回オータニミュージアムコンサート
大谷茶会 ー2012 初釜ー