コレクションにみる 洋画の時代 

 洋画とは、西洋画の略称であり、いわゆる油絵を指します。明治期以来、油絵を通して西洋の視覚文化を吸収しようとしてきた画家たちは、独自の風土に根差した日本的油絵を経て、洋画を超えた表現を生み出していきます。本展では、当館のコレクション形成史をたどりながら、およそ百年にわたって展開されてきた洋画の歴史を紹介します。

第1章 大谷コレクションの時代
 西宮市大谷記念美術館は、実業家・大谷竹次郎のコレクションをもとに設立されました。その中で、日本画とともに多くを占めているのが洋画です。大谷コレクションの洋画は、穏健で写実的な作風を好んだ個人の趣味を反映していますが、同時に1950〜60年代における一般的な時代の趣味、すなわちフランス絵画や洋画壇の主たる潮流への志向も見てとることができます。

ラプラード 
ピエール・ラプラード《カルーゼル広場とパヴィヨン・ド・マルサン》制作年不詳

第2章 エコール・ド・パリと日本の近代
 1972年に開館した西宮市大谷記念美術館は、広く美術史を鑑み、大谷コレクションを軸とする形で新たな作品を収集していきました。その際、対象となったのが、20世紀前半のフランスで花開いたエコール・ド・パリの作品と、同時期の日本近代洋画です。寄贈や購入により幅を広げたコレクションは、油彩画が美術の中心にあった時代の華やかさを彷彿とさせます。

小出楢重 
小出楢重《帽子のある静物》1923年

第3章 阪神間の洋画家たち
 西宮市大谷記念美術館は、大谷竹次郎のコレクションだけでなく、彼が居住していた宅地も引き継いでいます。大阪と神戸を結ぶ阪神間と呼ばれるこの地域には、戦前から多くの画家がアトリエを構え、地域文化の向上に大きな役割を担ってきました。当初の大谷コレクションにも散見されるこうした地元作家の作品の収集も、美術館活動を特徴づける重要な要素となっています。

辻愛造
辻愛造《酒場》1932年

第4章 洋画を超えて
 戦後の阪神間には実験的な試みがしばしば見られました。具体美術協会などのグループのみならず、個々人の独創的な探求が生み出した様々な抽象絵画は、油彩表現を習得するという明治期以来の宿願を超えて、グローバルなアートシーンの前線へと画家たちを押し上げました。これらは果たして洋画と呼びうるものでしょうか。確かに言えるのは、今日、国際的な評価を得ているこうした作品群も、百年の洋画の歴史の上に成り立っているということです。

津高和一
津高和一《転移》1961年                

主催:西宮市大谷記念美術館
後援:西宮市、西宮市教育委員会

会期

2014年4月5日(土)~5月25日(日)

休館日

水曜日

開館時間

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

入館料

一般500円/高大生300円/小中生200円
*西宮市在住65歳以上の方は無料(要証明書呈示)
*ココロンカード・のびのびパスポートを呈示の小中生は無料
*身体障害者・療育・精神保健福祉手帳などを呈示の方は無料
*ちらし割引券持参の方は一般500円を400円に割引(複製不可)
*20 名以上の団体は各料金から100 円割引