ワークショップコーナーには、その国に住んでいる人のことを想って作られた旗も展示しています。
さまざまな色とビーズで表された笑顔が旗いっぱいに描かれた、どんな人でも笑顔で暮らせる国【上段左】、色鉛筆や色画用紙で一枚一枚表現した木の葉のように、一人一人が個性を発揮できる自由な国【上段中央】、それぞれ異なる形が重なって一つのイメージを作っている、個性を認め合える、みんながどこかでつながっている国【上段右】など、そこに住む人々を想って作られました。
笑顔、葉っぱ、色や形など、個々の存在の表した方に、それぞれの旗の個性が光ります。
お城が切り絵風に描かれている旗は、その国の大事なもの(この旗ではお城)を旗のシンボルにしています。この旗には平和への想いも込められているそうです。【下段左】
ボローニャ展では動物を描いた作品が多数入選しています。「私の国の旗」でも、動物を描いた旗も集まっています。
動物と人が仲良く暮らす国の旗【上段左の左】、エキゾチックアニマルの王国の旗【上段左の右】、かつて飼っていたペットを想って作られた旗【上段中央・右】、動物とお話出来る国の旗【下段】…
動物たちがどの旗も生き生きと描かれており、絵本の世界のような素敵な国を想像させてくれます。
ワークショップキットは年齢制限がなく、小さなお子さんから大人まで幅広い層の方にお楽しみいただいています。
写真【左】の水彩絵の具のにじみが美しい旗とカラーペンで描かれた旗は幼い兄妹が作ってくれました。
左側の写真は5歳のお兄ちゃん制作によるものです。水彩絵の具で偶然できた模様がきのこのようだったことから、「おいしい国」と命名されました。
右側の旗はなんと1歳のお子さんがおばあさまと一緒に、好きな色のカラーペンで描いてくれました。タイトルはおばあさま命名の「なかよしの国」。いそんな色が使われていることに着目し、「どんな人とも仲良しになれたらいいな」という想いが込められています。
写真【右】の赤ちゃんがトレードマークの旗は、70代の女性が制作してくれました。「子どもたちが 幸せでいる国」を願って作られたとのことです。ふくふくとした赤ちゃんが王冠を被っている姿がとても微笑ましい旗です。
ワークショップキットを考案した矢部雅子さんが制作した旗も展示しています。
王冠を頭に載せたカモメが大きく描かれた旗。メッセージカードには、「私の国では、どうしようもなく、切実に助けが必要な人のところに、ピンクの王冠をかぶったカモメがスッと現れる。困っている人は、その王冠のフチをひとなですると、一度だけ魔法が使えるのだ。王冠カモメは簡単には現れない。「今こそ」という瞬間にかけつける、特別なカモメなのだ」と書かれています。これから物語が始まるようなワクワクする一節です。
今回は同じく入選者の小野寺美帆さんとそのご家族が制作して下さった旗も展示しています。小野寺さん作成の旗(写真【中央】左側)に描かれたモチーフには、今年ボローニャ展に入選したメンバーへの想いが込められています。その隣の2つの旗は小野寺さんの娘さんが作成した旗です。中学生ならではの、コンセプトがはっきりした旗を考えてくれました。展示室で是非メッセージカードと併せてご覧ください。
先日ご紹介した「おいしい国」の旗以外にも、食べ物が描かれた旗があります。
いろんなネタのお寿司やタコが描かれた旗(写真【左】)に、ドーナツやプリンなどをコラージュで作った「お菓子の国」の旗(写真【中央】左側)、三角形の旗の形をケーキに見立ててイチゴと生クリームがデコレーションされた「ケーキの国」(写真【中央】右側)。「お菓子の国」と「ケーキの国」はメッセージカードも旗に合わせて制作してくれました。
思わずおとぎ話に出てくるような、美味しい食べ物のある国を想像してしまう旗たちです。自分ならどんな食べ物のある国に行ってみたいか…そんなことを考えるのも楽しいのではないでしょうか。
8月23日と25日限定で、当館でワークショップキットを購入された方に、講堂で制作を体験していただけるコーナーを設けました。ペンだけでなく、フェルト、リボン、モール、マスキングテープなども使って素敵な旗を作ってくれました。
「夜と昼の間の国」(写真【左】左側)では中央の家がフェルトで作られ、屋根の三角が昼と夜の境目になるようレイアウトが考えられています。
「おもちゃの国」(写真【中央】左側)は、シールタイプのフェルトを一生懸命切って、いろんな形のフェルトで装飾した賑やかな旗を作ってくれました。その隣の旗は、虹や花が美しい「カラフルな国」の旗です。普段からよく絵を描くようで、大好きなペガサスも描いてくれました。
リボンやモールで華やかな印象の旗(写真【右】)は小学生の姉妹の作品です。グルーガンを使ってリボンを立体的に貼りつけたり、モールを曲げて形を作ったりと、随所にさまざまな工夫が凝らされています。
急遽開催した体験コーナーでしたが、みなさん楽しく制作に取り組み、素敵な旗を作ってくれました。
今回のワークショップは、7月に当館で博物館実習を履修した大学生6名にも旗を制作してもらいました。美術館の教育普及活動についての知識はあっても、ワークショップの参加経験は無い方がほとんどです。皆さんには、ワークショップの体験を通して、美術館の役割や仕事についても考えてもらう機会としました。
絵本に登場するようなメルヘンチックな国を想像して作った旗、国に住む人々への願いを込めて作った旗、自身の好きなモチーフを象徴的に描いた旗など、6人6様の旗を作ってくれました。それぞれコンセプトがしっかりしている点は、さすが大学生です。
ご来館の際は、旗と一緒に展示しているメッセージカードとあわせて是非ご覧ください。
ボローニャ展オープン3日目にして、早速旗が集まり始めました。
展示室の一角には、動物がいる国やお菓子の国など、個性豊かな旗が並んでいます。
旗を描くために使われた画材は、絵の具、ペン、色鉛筆などさまざまです。
なかにはコラージュで作られた旗も。
今後、これらの旗をメッセージカードに書かれた内容とともにこちらで紹介していきます。
2021年から始まったボローニャ展恒例のワークショップキットについてお知らせです。
今年は入選作家の矢部雅子さんが考案して下さりました。自分が王様になったことを想像し、その国の旗を制作します。ワークショップキットを購入し、お家で制作を楽しんでいただきます。制作していただいた作品は会期中館内で展示します。
【販売開始日】8月5日(月)10:00〜
【対 象】どなたでも
【定 員】先着50名
【価 格】550円(税込)*通信販売の場合800円、別途振り込み手数料がかかります。
【購入方法】
美術館のミュージアムショップ、または通信販売でもご購入いただけます。(美術館で購入する場合、水曜日は休館日ですのでご購入いただけません。)
*通信販売の方法はこちらからご覧下さい。
【作品の返却について】
美術館で展示したワークショップ作品は、「2024イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」終了後に順次ご返却します。
【講師プロフィール】
矢部雅子(2024イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選者)
東京生まれ。西ドイツ、ボリビアで幼少期を過ごす。大学で住居学、絵画を専攻。卒業後7年間オーストラリアで過ごし、帰国後は人や生き物、自然をテーマに絵画の個展やグループ展を開催し、イラスト、壁画、鋳物の装飾レリーフなど建築事務所・個人邸向けアート を制作。現在は絵本を創作中。